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2010年08月04日

住吉浄水場見学会(報告

浜松市の中心市街地に隣接した高台に、昭和初期(6年)に建てられた水道施設(ポンプ室)が残っています。
鉄筋コンクリートの平屋建て・・今から約40年前まで、市街地にはこの施設のポンプを使って、水を供給していました。
住吉浄水場見学会(報告
ここは、その40年前から時が止まっています。。
水道施設とはいえ、当時の技術の粋を集めて作った施設、電気や機械の先端・・というのは当然、建築的な工法や素材、デザインも、今もし同じような目的の施設を作ろうとしたらとても考えられないような、素晴らしい建物になっています。。
半楕円の窓に、ステンドガラス、柱に施された彫刻漆喰、建具のデザインも、とてもモダンです。
住吉浄水場見学会(報告
壁や柱はコンクリートですが、屋根は鉄骨です。
この屋根の架構がまた美しい。。小さなL型の鉄骨を組み合わせて、細かいトラスで構成しています。
屋根は無垢の木のモヤ(屋根下地板を支える小さな梁)や無垢の野地板(屋根下地となる板)でできています。
コンクリート、鉄骨、木・・資源の貴重な時代、異なった素材を少しづつ有効に組み合わせて建物全体ができています。
住吉浄水場見学会(報告
電気機械のメーター類のすばらしいこと・・
照明が洒落てます・・今だったら・・ハダカの蛍光灯がつくでしょう・・。
住吉浄水場見学会(報告
スイッチ類も、本当にカッコいい。。宮崎映画にでてきそうな感じです。
建築もそうですが、今の家電や設備のデザインは、もっと考えた方が良い・・・と実感します。
住吉浄水場見学会(報告
今はとかく、出っ張り、引っ込みをなくしてスッキリとキレイに・・・が常識ですが、こんな機械や建築の姿を見ていると、何故かこっちの方が好感持てます。。
たとえ機械だとしても、人の手で造られたものの気・・・「人が造った感」とでもいいますか・・そんな感覚がわかるからなのかな・・。

場所は、浜松城北高校のすぐ北、浜松市水道局の施設内にあります。
でも、一般公開はされていません。
今回は、建築士会の委員会活動として、水道局のイベントと一緒に見学会を実施しました。
当日は記念の缶バッジと、ウチワを配布・・・好評でした!
住吉浄水場見学会(報告

古い民家だけでなく、こんな近代建築も、大変に価値があります。
古いビルや商店、工場や倉庫、もう一度見てみませんか。。。


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Posted by こころ現代民家研究所 at 10:09│Comments(0)地域の文化財
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